初期症状
腎機能の7割が失われるまで、猫はまったく症状を見せないことがあります。その後、最初に現れるのは次のような症状です。
- 多飲多尿:水入れの補充が頻繁になり、猫砂の固まりが大きくなる
- 徐々に痩せ、毛づやが悪くなる
- 食欲にむらがあり、時々嘔吐する
- 口臭、歯茎の潰瘍
- 元気がない、隠れる
一方、急性腎障害は、ユリの花や人間用の薬を口にした後などに、突然食べなくなる、嘔吐する、ぐったりするといった症状が現れるもので、救急対応が必要です。
診断方法
- 血液検査:クレアチニン、尿素窒素、SDMA(クレアチニンより早期に異常を検出できる)、リン、カリウム
- 尿検査:尿比重(腎臓病の猫の尿は薄くなる)、蛋白尿
- 血圧測定:腎臓病の猫は高血圧になりやすく、眼や脳を傷つける
- 超音波検査:腎臓の大きさ、結石、腫瘍を確認
当院では国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)の基準に基づいて4つのステージに分類し、ステージに応じて治療方針を決めます。
治療:目標は進行を遅らせること
- 腎臓ケア処方食:低リンで良質なタンパク質を適量含む食事です。寿命を延ばすことが証明されている治療法で、早く切り替えるほど効果的です。
- 水分補給:ウェットフード、給水器、複数の水入れを活用します。中期以降はご自宅での皮下輸液も可能で、当院で方法をお教えします。
- リン吸着薬:食事だけでリンをコントロールできない場合に追加します。
- 血圧、貧血、吐き気のコントロール:必要に応じて薬を使用します。
- 3〜6か月ごとに再診・血液検査を行い、治療計画を調整します。
救急受診が必要なとき
24時間以上食べない、嘔吐が止まらない、極度にぐったりしている、口からアンモニア臭がする、けいれんを起こすといった場合は、腎臓病の急性増悪や高カリウム血症の可能性があります。すぐにご来院ください。
予防と早期発見
猫は 7歳から毎年血液検査と尿検査 を受け、10歳からは半年に1回にしましょう。多飲多尿は「年のせいで普通」ではなく、最も検査する価値のあるサインです。
当院でできること
院内の血液検査と尿検査は当日中に結果が分かり、超音波検査で腎臓を評価します。腎臓ケア処方食はオンラインショップで再注文でき、入院での輸液治療や、ご自宅での皮下輸液の方法の指導も行っています。