DNA検査でわかること

  • 遺伝性疾患のリスク:拡張型心筋症、多発性嚢胞腎、進行性網膜萎縮、変性性脊髄症、血友病や凝固異常など、数十〜百種類以上の既知の単一遺伝子疾患。
  • 薬剤感受性遺伝子(MDR1):MDR1変異を持つ犬(コリー、ボーダーコリー、オーストラリアンシェパード、シェルティなどに特に多い)は、一部の駆虫薬、下痢止め、麻酔薬に重い反応を起こします。事前にわかれば投薬で避けられます。
  • 品種構成:ミックスの子は各品種の割合が示され、成犬時の体重、運動量、その品種に多い病気を推定できます。
  • 猫の血液型:将来輸血が必要になったとき、血液型の情報が命を救います。

特に検査をおすすめするペット

  1. 子犬・子猫:リスクは生まれた時点で決まっています。早く知るほど予防計画を早く始められます。
  2. ミックスや出自不明のペット:見た目と実際の品種構成は異なることがよくあります。
  3. 高リスク品種:メインクーン、ラグドール(肥大型心筋症)、ペルシャ(多発性嚢胞腎)、ドーベルマン、ボクサー(心筋症)、コリー系(MDR1)など。
  4. 繁殖を予定しているペット:キャリア同士の交配を避け、劣性遺伝病を次世代に伝えないために。

検査の流れ

  1. 来院時に綿棒で口の内側の細胞を採取するか、少量の血液を採ります。麻酔も絶食も不要です。
  2. サンプルを遺伝子検査機関へ送り、通常 2〜4週間 で報告書が届きます。
  3. 獣医師が一緒に報告書を確認し、各項目の意味を説明し、リスクに応じた監視計画を立てます。

報告書の読み方

  • 陰性/正常:この遺伝子座にリスクはありませんが、一生発症しないという意味ではありません。後天的な要因も重要です。
  • キャリア:本人は通常発症しませんが、繁殖で次世代に伝わる可能性があります。
  • リスクあり/陽性:発症の可能性が高く、定期的な監視が必要です。多くの遺伝性疾患は早期発見で良好に管理できます。
DNA検査は一度きりで、生まれつきのリスクを映します。身体検査、血液検査、尿検査、画像検査はペットの「今」の状態を映します。両者は補い合うもので、どちらかの代わりにはなりません。

リスクが見つかったら

リスクの種類おすすめの監視
心臓病年1回の心臓超音波と心電図、咳や運動不耐性に注意
腎臓病半年〜1年ごとの血液・尿検査、リンとたんぱく質の管理
眼疾患定期的な眼科検査、夜間の活動での危険を避ける
MDR1カルテに記載し、高リスク薬を避ける
関節・脊髄の病気体重管理、関節ケア、高衝撃運動を避ける

費用

検査項目によって異なります。予約時にお見積もりします。一度きりの検査費用は、進行した遺伝性疾患の治療費よりはるかに低いのが普通です。

当院でできること

犬猫のDNA遺伝子検査を行い、報告書をペットの予防医療計画に組み込んで、毎年の健康診断と組み合わせます。どの検査パネルがお家の子に合うか、WhatsAppでのご相談や診察のご予約をお待ちしています。